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上場とは?非上場企業との違いは?

株取引では、株式市場で売買対象になる企業のことを上場企業と呼んでいます。
今回は、上場企業について解説します。上場企業のメリットやデメリットについて、あわせて紹介しましょう。
目次(クリックで項目へジャンプ)
上場とは
上場とは、日本取引所グループが運営する「なるほど!東証経済教室」によると、「企業が発行する株式を証券取引所で売買できるように、証券取引所が資格を与える」とされています。
出典元:https://www.jpx.co.jp/tse-school/learn/03a.html
証券取引所で資格を与えられた企業は、国内だけではなく、世界中の投資家が株式の売買対象に加わります。上場を目指す企業は、証券取引所の上場審査を受けて適格性の審査を通過しなければ上場できません。
東京証券取引所では、3つの市場を基準で分けています。それぞれの市場では、クリアすべき基準があります。
主な基準 | |
プライム市場 |
株主数800人以上
流通株式比率35%以上 流通株式時価総額100億円以上など |
スタンダード市場 |
株主数400人以上
流通株式比率25%以上 流通株式時価総額10億円以上など |
グロース市場 |
株主数150人以上
流通株式比率25%以上 流通株式時価総額5億円以上など |
上場するメリット・デメリット
企業が上場することは、メリットになる部分やデメリットにあたる部分があります。
それぞれ簡単にポイントをあげてみます。
上場するメリット
企業が上場するメリットは、次のとおりです。
- 出資対象者が増えるため資金調達が円滑になる
- 社会的な信用が高まる
- 企業の知名度が高まる
企業は、上場により社会的な信用度や知名度の向上が期待できます。信用度や知名度の向上にあわせて、株式市場で売買取引する投資家など出資対象者が増えるため、資金調達の間口が広がるでしょう。
上場するデメリット
企業が上場するデメリット部分は、上場企業としての負担が生まれることです。
- 上場を維持するためのコストが増える
- 社会的な責任が増える
上場企業は、社会的な信用度や知名度が向上する反面、上場を維持するための費用として年間上場料を支払わなければなりません。たとえば、時価総額50億円以下の上場企業の場合は次の上場料が掛かります。
- プライム市場(50億円以下):96万円
- スタンダード市場(50億円以下):72万円
- グロース市場(50億円以下):48万円
なお、一番低く設定されている基準が時価総額50億円以下であり、そこから段階的に増加していきます。この費用以外にも消費税や地方消費税及びTDnet (システム利用料の12万円)などを加算した料金が必要になります。
データ参照元URL:https://www.jpx.co.jp/equities/listing/fees/02.html
非上場企業との違いを比較
上場企業と非上場企業には、次の違いがあります。
上場企業 | 非上場企業 | |
上場による業務負担 | 四半期報告書制度により3カ月毎の決済業務が必要 | 不要 |
上場によるコスト | 上場前の準備や上場時の上場審査料、上場後の年間上場料など | 不要 |
決算報告書の情報開示 | 四半期報告書制度により情報開示が必要 | 不要 |
株式の公開 | 証券取引所により株式を公開 | 不要 |
上場した会社は、会社法により「公開会社 」として株式を公開する必要があります。