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FX(外国為替証拠金取引)とは何か?初心者にも分かりやすく解説

最終更新日 2022.12.29
少額でも大きな利益が期待できるFXは、個人投資家に人気の取引方法です。その一方で、「大きな損失を出すことがある」、「ギャンブルのようで怖い」、「初心者にはハードルが高い」といった声もあります。
そこで今回は、FX投資の基礎知識やメリット・デメリットをわかりやすく解説 します。FX投資 に興味がある方はぜひ参考にしてください。
目次(クリックで項目へジャンプ)
FX(外国為替証拠金取引)の基礎知識
まず、FXの基礎知識から押さえていきましょう。
- そもそもFXとは
- FXと外貨交換の違い
- FX取引の仕組み
- FXで得られる利益
それでは、上記の4つについて詳しく見ていきましょう。
1.そもそもFXとは?
FXとは、Foreign Exchange(外国為替)の略で、お金を交換するという意味です。FXは、日本では「外国為替証拠金取引」とも呼ばれます。
例えば、円を米ドルに両替するように、ある国の通貨を別の国の通貨と交換して相場変動による利益を狙います。
さらに、FXの特徴に「レバレッジ」があります。レバレッジを使うと、少額資金でも大きな金額の取引ができるようになります。なお、国内のレバレッジは最大で25倍までとなります。
2.FXと外貨交換の違い
次に、FXとよく比較される外貨預金の違いを見ていきましょう。以下の表に双方の違いをまとめました。
FX | 外貨預金 | |
取引コスト | 安い | 高い |
取引時間 | 24時間 | 9~21時 |
レバレッジ | 最大で25倍(国内の場合) | なし |
為替差益の発生 | 円高・円安の両時点 | 円安時に利益が発生 |
利子のもらえるタイミング | スワップポイントが毎日発生 | 満期時または解約時に発生 |
発生する税金 | 20.315%(申告分離課税) | 最大で55.594%(総合課税) |
破綻した場合の保全の有無 | あり | なし |
3.FX取引の仕組み
FX取引の基本は、海外旅行時に行う両替と同じです。
FX取引は、外貨を交換して差益を得ることが目的です。変動する為替相場のレートを使って得られた差益が「為替差益」です。
例えば、下記のケースで考えてみましょう。
- レートが上がると予想して、1ドル=100円の為替レートで100万円をドルに交換
- 予想通りレートが上がったので、1ドル=120円のときに全額円に交換
このような取り引きを行った場合、20円分円安が進んでいたため20万円の利益を得られます。これが、FX取引で為替差益が発生する基本的な仕組みです。
なお、FXで取り引きする通貨は、必ず2カ国をセットにします。この際の「米ドルと円」や「ユーロと円」などの組み合わせのことを、「通貨ペア」と呼びます。
4.FXで得られる利益
次に、FXで得られる利益について説明します。FXで発生する利益は次の2種類です。
- 為替差益(キャピタルゲイン)
- スワップポイント(インカムゲイン)
それでは詳しく見ていきましょう。
1.為替差益
FXで得られる利益の1つに「為替差益」があります。これはキャピタルゲイン と呼ばれます。
為替差益は2ヶ国の通貨を為替レートの変動に合わせて交換することで差額分が利益になるという手法です。
2.スワップポイント
もう1つの利益は、「スワップポイント」です。これは「インカムゲイン」とも呼ばれます。スワップポイントは金利のようなもので、金利の異なる2国間の通貨を売買することで得られます。
世界各国の金利は政策により異なります。例えば、超低金利の円を売って、高金利のトルコリラを買うと2通貨間の金利差が収益になります。高金利の通貨を持っているだけで、毎日スワップポイントが得られる仕組みとなります。
なお、1日あたりのスワップポイントは、FX会社によって異なります。
FX(外国為替証拠金取引)の魅力・メリット
次に、FX取引の魅力やメリットとして、以下の4つを解説します。
- レバレッジにより資金の何倍もの取引ができる
- 少額から取引できる
- 24時間取引できる
- スワップポイントでも利益を得られる
それでは詳しく見ていきましょう。
1.レバレッジにより資金の何倍もの取引ができる
FXの最大の魅力は「レバレッジ」でしょう。レバレッジとは「てこの原理」のことで、小さな力で大きなものを動かすという意味です。
FXでは、このレバレッジにより証拠金として預けた資金の何倍もの額で取引ができます。なお、レバレッジの倍率は最大で25倍です。
例えば、為替相場が1ドル100円のときには、50万円で5千ドル買えますが、10倍のレバレッジをかければ、同じ50万円で5万ドル買えるようになります。
このようにレバレッジを使うと、少ない資金でも効率よく収益を得られます。しかし、レバレッジ倍率の高さに比例して、リスクも高くなり大きな損失に繋がることも忘れてはいけません。
2.少額から取引できる
FXは少額から取引が始められるので、初心者でも手を出しやすい投資だと言えます。その理由は、前述した「レバレッジ」による効果です。
元手が少ない場合でも、最大で25倍もの資金を動かせるようになるのは、FXの大きなメリットと言えるでしょう。
3.24時間取り引きできる
為替相場は24時間、世界のどこかで動いています。東京市場が祝日で休みでも、ニューヨークやロンドンなど海外市場は必ずどこか開いていて取引されているのです。
例えば、平日の日中は仕事で忙しい人でも、仕事終わりの空いた時間にFX取引ができるのでライフスタイルに合わせた取引ができるのがメリットと言えます。
4.スワップポイントでも利益を得られる
FXでは、金利の高い通貨を持っているだけでスワップポイントがもらえます。現在の日本の金利はとても低いため、ほかの国の通貨を買えばほとんどの場合でスワップポイントを受取れます。
日本の銀行預金利子による収益がほとんど見込めない中、毎日発生するスワップポイントを受けた方が有利なことが多くなっているのが現状です。
FX(外国為替証拠金取引)のリスク・デメリット
当然ですが、FXにもリスクやデメリットはあります。FXは自己責任で行うものなので、この点にも十分に理解しておきましょう。
ここでは、次の3点について解説します。
- レバレッジ次第でハイリスク・ハイリターンとなる
- ロスカットされる
- 通貨の流動性のリスク
1.レバレッジ次第でハイリスク・ハイリターンとなる
FXは、レバレッジ効果により少ない元手で大きな利益を得られるので非常に効率性が高い投資方法です。
しかし、ひとたび予想が外れると損失も大きくなります。レバレッジは取引が上手い人が使うと資金を早く増やすことができますが、その反対に初心者や知識のない人が使うと資金を早く減らすことになります。
FX投資をする際にはハイリスク・ハイリターンの傾向があることを肝に銘じておきましょう。
2.ロスカットされる
FX取引で為替差損が発生すると、それだけ投資する人の資産が減ることになります。ここでいう資産とは、FX業者に開設した口座残高と評価損益の合計です。
損失が大きくなり、事前に預けていた必要証拠金を下回る状況になってしまうと設定した条件で自動的に取引決済がされるようになっています。これは取引が継続できず、損失が確定してしまうことを意味するのです。
ただし、ロスカットは投資家の資産を想定以上に減らさないための手段なので、安全装置とも言えます。
3.相場が急変動しやすい
各国通貨の為替相場レートは、それぞれの国の政治経済の情勢や災害などに大きく影響を受けます。そのため、為替レートの動きを正確に予測することは誰にもできません。
為替相場は想定外の値動きをすることも頻繁にあり、短期間で大きな損失を出してしまうことも珍しくありません。FXを行う際は、こうした相場の急変動があることを念頭に置いておきましょう。
FX(外国為替証拠金取引)はこんな人におすすめ
今回は、FXについてわかりやすく 解説してきました。
日本は、低金利かつ歴史的な円安が続いています。株価も低迷する中、個人の資産を運用する手段として、FXは魅力のある投資方法の一つと言えるでしょう。
しかし、投資にはリスクがつきものです。FXの特徴であるレバレッジも、資金を増やすどころか逆に損失をしてしまう可能性があります。したがって、ハイリスク・ハイリターンであることを知ったうえでFXに取組むことが大事です。
今回の記事が、FX取引について知りたい方や実際に始めたい方の参考となれば幸いです。
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