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新しい資金調達「STO」とは?「ICO」との違いは?
最終更新日 2022.09.27
一般的な企業では、IPO(新規株式公開) によって資金調達が行われることがありますが、ブロックチェーン を利用した資金調達の方法としては、ICO(新規仮想通貨公開)という方法が一般的に活用されるようになっています。
そして、さらに新しい資金調達法として注目されているのがSTO(セキュリティ・トークン・オファリング) です。
目次(クリックで項目へジャンプ)
ICOとSTO
まずは、混同されやすいICOとSTOのそれぞれの特徴について解説していきます。
ICOとは?
ICOは、「Initial Coin Offering」 の略称で、新規仮想通貨を公開・売却することで資金調達する方法を指します。例えば自社サービスを活用してもらう際にオリジナルのコインを発行し、それを購入してもらうことで資金を調達します。投機的性格が強く出すぎてしまう面や詐欺事件などもあり、ICOの規模はバブルがはじけたという見方もあるようです。
STOとは?
一方そんな中で注目を集めているのがSTOです。STOは「Security Token Offering」 の略称で、有価証券の機能が付与されたトークンによる資金調達方法です。「セキュリティ」は安全性などの意味ではなく、「証券」という意味で使われています。
ICOとSTOの違いは?
この2つ、似たようなものに見えますが、概念を比較するとわかりやすくなります。
- ICO:独自に発行したトークン自体に価値があり、それを譲渡することで資金調達をする
- STO:既存の証券や債券をトークンで表し、それを譲渡することで資金調達をする
ICOはコインそのものに価値をつけ、ホワイトペーパーとよばれるものでプロジェクト概算などが公開されますが、この性格ゆえに投機的な側面 が際立ってします。一方の、STOでは目論見書や投資契約書等が必要となり、価格についても資産や事業の裏付けなどから合理的に算定されるため、堅実性が高い とされています。
STOのメリットとデメリット
具体的に、ICOと比較した場合にSTOにはどんなメリットやデメリットがあるのでしょうか。STOのメリット
STOは、その堅実性の高さと即時性が評価されているため、例えば、今まで日本人がアメリカの土地を購入しようとすると煩雑な作業が必要だったものが、STOを活用することで、即時性高く購入することができる可能性があります。
ICOと比較した場合、次のような魅力的な長所があります。
- 詐欺を防止できる
- 取引が24時間365日可能
- スマートコントラクトにより仲介を排除できる
- 所有権を分割できる
このような点からも、新しい資金調達の形として注目を浴びています。
STOのデメリット
しかし、その堅実性ゆえに導入手続きのハードルが高いという短所があります。各国法規制なども異なるので、そういったことに対応するライセンス導入などで、トータルでの発行コストが高くなってしまいます。ICOほど柔軟ではないので、自由度も下がります。
STOは資金調達の手段として定着するか
STO について解説してきました。ブロックチェーンや仮想通貨の盛り上がりに併せて、ICOやSTOという新しい資金調達の方法が注目を集めています。
今後はさらにメジャーな資金調達手段となっていくことが予想されます。引き続き注視していきましょう。